三塚新司「予言者　進歩と調和」

　岡本太郎記念館で3月から行われている企画展「衝動の爪あと」にて、2021年度に第25回岡本敏子賞を受賞した三塚新司の新作「予言者　進歩と調和」の特別展示が行われる。

　三塚は1974年生まれ。高校卒業後、スキーパトロール、ライフガード、自転車便メッセンジャーなどの職を経て、99年に東京藝術大学へ入学。在学中より子供番組の放送作家として映像関係の仕事に携わる。卒業後、雑誌編集者、テレビ局ディレクターを経て、2018年より公募展への出展、作品展示を始める。

　岡本太郎現代芸術賞（通称TARO賞）は、岡本太郎の遺志を継ぎ、「時代を創造する者は誰か」を問うべく、当財団および川崎市岡本太郎美術館が主催する賞。今回の特別展示は、岡本太郎賞および岡本敏子賞の副賞として、同記念館での展示機会を与えられたことにより実現した。

　経済成長がいつか終わることを知っていた1970年の太郎を「予言者」と捉えた三塚が、経済成長のピークを25年後の1995年とし、その終わりが25年後の2020年であったことを示したいと考える。本展では1970年の祝祭の始まりを現す。新進気鋭のアーティストである三塚と岡本の対決を見ることができる展覧会となっている。