日本の伝統絵画と現代のストリート文化を融合させた、独自の絵画表現「ネオ日本画」で知られる天明屋尚。絵筆で戦う流派「武闘派」を名乗り、華美で奇抜な表現体系を2010年に「BASARA」として主張。室町時代のバサラ者や戦国時代の傾奇者、そして戦国・江戸時代の型破りな奇想絵師といった当時の革新者たちのあり方に「BASARA」を見出してきた。
これまで「TENGAI」プロジェクトでは、天明屋が「BASARA」の理念を体現する鬼才にして奇想の作家を発掘・紹介。3回目となる本展では、現代美術やイラストレーションという従来の枠組みを越えて、技法もジャンルもさまざまな若手から大御所まで7名の作家が参加する。
天明屋は武人像の新作を、空山基は拝金主義やギャンブル資本主義を揶揄した自由の女神像とヒトラー像が対になった新作を発表。淺野健一は憑依や傀儡をテーマにLED と木彫を組み合わせた立体の新作を、伊藤大朗は日本のサラリーマンの悲哀を描いた男性像を展示する。feebeeは華美な意匠を数多く織り込み、獣性を色濃く宿した神獣像を描いた日本画を、加藤美紀はモダンな和装の美人画を公開。また、学生ながら天明屋が注目する影山萌子は、錯視的な表現で異世界を描く。