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アートの仕事図鑑:美術館とメディアをつなぐ。三井珠子(共同ピーアール株式会社)

展覧会の運営、アートマーケットの運用、コレクターのサポートなど、アートに携わる様々な仕事を紹介する「アートの仕事図鑑」。今回は美術館・博物館の展覧会PR業務に携わる共同ピーアール株式会社の三井珠子に話を聞いた。

聞き手=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長)

「ジョルジュ・ブラックって誰ですか?」

──いつも我々メディアがお世話になっているので、このようなインタビューをするのは新鮮な気持ちです。まず共同ピーアールとはどのような会社なのか、そこから教えていただけますか?

 弊社はPR会社としてはすごく古くからあり、東京オリンピックが行われた1964年に創業しています。美術のPR業務は全体のほんの一部で、会社としては官公庁や自治体も含む全業種のPRを行っています。この新しい時代に適応した、インフルエンサーを起用したPRを行う部門などもありますよ。

──美術のPR会社は何社かありますが、なかでも共同PRは手がけている展覧会数が多い気がします。いつ頃から美術PRを担っているのでしょう?

 ちょうどBunkamura(1989開業)のオープニング時に、施設全体のPRを弊社が担当していたんですね。ご存知の通りBunkamuraにはル・シネマやシアターコクーンなどの文化施設がありますが、映画は配給会社さんが宣伝広告を、舞台は劇団などの借り主がPRを含めた宣伝を行うようになっていました。でも、美術館であるザ・ミュージアムだけはPRが宙ぶらりんな感じになっていたんです。そこで弊社がミュージアム部門のPRも請け負うかたちとなり、以来、美術展のPR業務は続いています。

──三井さんが共同PRで最初に担当した展覧会もBunkamuraだったのでしょうか?

 はい、1998年の「パリ・オランジュリー美術館展 ジャン・ヴァルテル&ポール・ギョーム コレクション」が最初ですね。私はまったく美術担当ではないPRとして中途入社したのですが、Bunkamuraザ・ミュージアムのアシスタント担当者の下に入って現場を担当したんです。その後、担当者が退職されたので私が引き継いだんです。そのあとにメインとして最初に担当したのがBunkamuraの「ジョルジュ・ブラック展」でしたね。

──よく聞かれるかと思うのですが、三井さんは美術史専攻ではないわけですよね?

 はい、まったくやってません。だから最初は何がどうなっているのかもわからない状態で、「ごめんなさい、ジョルジュ・ブラックって誰ですか?」というところからスタートしましたよ(笑)。当時もコンビニエンスストアやメーカーさんのPR業務も並行してましたしね。でもやっていくうちに、段々と展覧会を担当する割合が大きくなっていったんです。

──おおよそ、1年間で担当される展覧会の数はどれくらいでしょうか? 展覧会は時期も重なるので、業務フローも気になります。

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