あの人のアートコレクションが見たい!:作家のメインピースを集める棟田響さん

急増しているアートコレクター。作品が飾られているコレクターの自宅を、自身もコレクターであるコバヤシマヒロが訪問して紹介。作品を愛するそれぞれの人柄が現れるような、千差万別のアートコレクションをお届けします。 

文=コバヤシマヒロ

棟田響。左は南川史門、奥が丸山直文、右は大山エンリコイサムの作品
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 白い壁は絵画で埋め尽くされ、棚や床には立体作品がずらりと並ぶ、まさにアート好きにはたまらない空間……それが今回訪ねた、都内の金融機関に勤める棟田響さんのご自宅です。おふたりのお子さんがいらっしゃるにもかかわらずその都内のマンションの一室は、だれもがひと目でアートコレクターが住んでいるのだとわかるのではないかと思いました。

棟田さんのコレクション展示風景

 棟田さんは2016年5月に最初のコレクション作品を迎えて以降、約6年間で50作品を購入したコレクターです。 もともとの趣味はインテリア。その延長線上でアートに関心を持ったそうです。そんな棟田さんの初コレクションは青木野枝さんの立体作品。最初の購入前には、アートコレクション関係の本を読み込んで予習をし、コマーシャルギャラリー巡りをしていたそうです。 

 「私がコレクションをスタートした当時は、いまほどアートマーケットが盛り上がっていなかったので、足を運んだギャラリーで、しっかり時間をかけて検討して購入することができました」 と棟田さんは振り返ります。

 私もちょうど同じ時期からコレクションをはじめましたが、現在のマーケットシーンとは様相が異なり、「すべて完売」という展覧会は稀でした。 当時はアートブーム前夜。時間をかけて検討でき、ビギナーにはよかったのかもしれません。

棟田さんのアートコレクションより、千葉正也の作品

サイズが大きい作品も、気にせず購入