若手作家に絞って作品を集めるアートコレクターが、ここ最近増えてきているようです。評価が定まっていない若手作家の場合、作品の価格が手ごろなため、気軽にアートコレクションの楽しみを味わえます。そんな楽しみを存分に享受しているコレクターのひとりが、今回ご紹介する、東京在住の会社員コレクター「あおば」さんです。
アートウォッチャーとして、Twitterでは鑑賞する展覧会の記録を発信し、Instagramでは自身のコレクションを披露しています。なかでも特徴的なのが、ご自宅で定期的にテーマ別に作品を展示していること。
「作家同士の関係性や、春がモチーフの作品、などとテーマを決めて、展示しています。今年からは1ヶ月に1回飾る作品を変えていて、その写真をInstagramに投稿しています」。まるで小さな企画展を1枚の写真にぎゅっと凝縮したようで、私も楽しみにしています。
コレクションのきっかけは、若手でありながら早くから注目を浴び、熱狂的なファンも多い小松美羽さんの作品。購入したのは娘さんが生まれた6年前のことです。
「妻が里帰り出産のために実家に戻っていまして、気になっていた百貨店での展覧会に行って、 30号くらいのサイズの作品を購入しました。自分にとってはとても高い買い物で、これまでのコレクション作品としてももっとも高額なんです。でも、それまで行っていた株式投資などで疲れていたことと、娘が産まれる記念にもなるなと、思い切って決断しました」。