高木由利子「chaoscosmos vol.3 — visible viscosity 可視化された粘性 —」開幕レポート。写真は「見えない自然」をどう写すのか?

写真家・高木由利子による個展「chaoscosmos vol.3 — visible viscosity 可視化された粘性 —」が、東京・表参道のGYRE GALLERYで10月8日に開幕した。重力・慣性・粘性が織りなす現象を写真によってとらえる本展。肉眼では見ることのできない「自然の秩序」を、写真はいかに可視化するのか。その会場をレポートする。

文・撮影=橋爪勇介(編集部)

《V_A6A9059-4》(2016)

 東京・表参道のGYRE GALLERYで10月8日、高木由利子の写真展「chaoscosmos vol.3 — visible viscosity 可視化された粘性 —」が開幕した。会期は11月29日まで。

カオスとコスモスは同時に存在する

 高木は武蔵野美術大学でグラフィックデザインを、英国のトレント・ポリテクニックでファッションデザインを学び、その後、写真家として活動してきた。衣服や人体を通して「人の存在」を見つめ、アジア、アフリカ、南米、中東など世界各地で撮影を重ねてきた。今年春にはBunkamura ザ・ミュージアムで、30年にわたり世界各地の伝統的な衣服とそれをまとう人々を撮影してきた仕事を紹介する「Threads of Beauty 1995–2025」を開催した。

 いっぽう近年、高木が取り組んでいるもうひとつの軸が、自然現象をレンズ越しに観察する「chaoscosmos」プロジェクトである。「chaoscosmos」は、カオス(混沌)とコスモス(秩序)をつなぎ合わせた高木の造語だ。高木は当初、このふたつを相反するもの、あるいはカオスからコスモスが生まれるという因果関係にあるものとして考えていたという。しかし自然現象を撮影するうちに、「二つは切っても切れず、つねに同時多発的に起き、動きながら関係性を持って存在している」と感じるようになった。その感覚を追うように始まったシリーズの第1弾「icing process」では、水が氷へと変化する氷結のプロセスを撮影。第2弾「sakura」では、誰もがカメラを向ける桜を、自らならどう撮るのかという問いを数年にわたって追った。そして第3弾となる今回のテーマが、「粘性(viscosity)」である。

展示風景より

編集部