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「永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル ― ハイジュエリーが語るアール・デコ」(東京都庭園美術館)。アール・デコ邸宅と共鳴するヴァン クリーフ&アーペルの精神【5/6ページ】

 第3章「モダニズムと機能性」では、社会の変化に応じてヴァン クリーフ&アーぺルが制作した抽象的かつ幾何学的造形と機能性を備えた、モダニズムの魅力を伝える多様な作品を紹介している。

本館2階 大広間の展示風景より、《ハンドミラー》(1930)など

 1929年に、ニューヨーク・ウォール街の大暴落を発端に、世界恐慌が起こった。この不況下で、ヴァン クリーフ&アーペルは抽象性と機能性を重視するモダニズム的造形へと方向転換をはかる。サンゴなどの有機素材や、ラビスラズリなどのオーナメンタルストーン(装飾用石)、ゴールドやプラチナに準ずる新たな合金が取り入れられ、ジュエリー制作の技術は多様化したという。

展示風景より、《ディスク ブローチ》(1932)など

 また、1930年代初頭には《セルクル ブローチ》や《ミノディエール》といった、美しさと実用性を兼ね備えた革新的な作例が登場し、さまざまな特許が申請された。

展示風景より、《セルクル ブローチ》(1931)など
展示風景より、《カメリア ミノディエール》(1938)
展示風景より、《ミノディエール》(1935)など

編集部