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「永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル ― ハイジュエリーが語るアール・デコ」(東京都庭園美術館)。アール・デコ邸宅と共鳴するヴァン クリーフ&アーペルの精神【3/6ページ】

 会場は全4章構成。第1章「アール・デコの萌芽」では、アール・デコ博覧会グランプリ受賞作品を含む、アール・デコ期に制作されたハイジュエリーの数々を紹介する。

展示風景より、《ループ ブローチ》(1919)など

 本章では、メゾンがアール・デコ期に抱いていたビジョンを読み解く重要な鍵となる作品の数々を紹介。これらの作品には、つぼみや葉、棘といった植物の持つ要素が巧みに組み込まれており、自然のモチーフを幾何学的に様式化する、アール・デコの美学が体現されているといえる。

展示風景より、中央上が《ローズ ブローチ》(1925)

 また、この時期は花や鳥といった東洋のイメージに着想を得たモチーフが、色彩豊かな宝石によって表現された。会場では、これらの意匠が、近代の生活文化を支える道具となったバッグクリップやリストウォッチ、シガレットケース、ライターなどのなかに取り入れられていることにも注目したい。そのデザインの発想の豊かさは、いまなお新鮮だ。

展示風景より、《シガレットケース》(1928)など

編集部