「HOKUSAI - ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」(CREATIVE MUSEUM TOKYO)開幕レポート【3/4ページ】

 北斎作品が人気である理由には、その卓越した画力や発想力、ダイナミックな構図、そして思わず笑ってしまうようなユーモアセンスが挙げられるだろう。集中線・効果線、爆発や閃光、波や風などの自然現象、時間の経過、妖怪や幽霊、略画と一筆画、ギャグ描写、アニメ風原画など、様々な切口から森羅万象を描き尽くそうとした江戸時代の巨匠。いまから200年も前の作品群を通じて、現代におけるマンガやアニメのルーツとも言える表現の数々にも本展ではとくに光を当てている。

展示風景より
展示風景より、『新編水滸画伝』
展示風景より、『釈迦御一代記図会』

 また、「北斎が現代も生きていたら、アニメーションを制作していたのではないか」という発想から、本展では北斎作品をもとにしたアニメーションを制作。特設のミニシアターで『踊独稽古』や『北斎漫画』の「雀踊り」、そして「武芸(棒術)」の3本を上映している。

展示風景より、『踊独稽古』(1815)
展示風景より、特設ミニシアター。『踊独稽古』を踊るのは十三代目市川團十郎白猿。「雀踊り」や「武芸(棒術)」は、スタジオジブリでも作画などを務める田辺修、大塚伸治が担当している

編集部