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「ゴッホ・インパクト─生成する情熱」(ポーラ美術館)レポート。ゴッホは後世に何をもたらしたのか?
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 ゴッホは現代美術の作家たちに対しても大きな影響を与えている。本展に参加する4名の現代美術家の作品から、その影響を考えたい。

 1985年に初めて扮装した耳に包帯を巻いているゴッホの自画像《肖像(ゴッホ)》(1985)を制作した森村泰昌は、これまでゴッホ由来の作品を6点手がけてきた。本展は、これら6点を初めて全点同時に展示する機会となった。森村は本展開幕に際し、こう語っている。「ゴッホに限らず、美術史あるいは人間の歴史を考えたとき、かつてのものを壊して新しいものができてくるわけではない。かつてのものをなんらかのかたちで受け継ぎ、つながりのなかに歴史は浮かび上がってくるのではないかと、本展を通してあらためて感じた。自分の作品も、そんな歴史のチェーンの輪のひとつになっているといい」。

展示風景より、森村泰昌《自画像の美術史(ゴッホの部屋を訪れる)》(2016/2025)、《自画像の美術史(ゴッホ/青い炎)》(2016/2018)
展示風景より、森村泰昌《自画像の美術史(ゴッホ/青い炎)》(2016/2018)
展示風景より、森村泰昌《肖像(カミーユ・ルーラン)》(1985/1989)、《肖像(ゴッホ[ベルギー版]》(1985/1989)
展示風景より、森村泰昌《唄うひまわり》(1998)