第2章 樋口五葉と夏目漱石
続く2章には、五葉が手掛けた漱石本が一堂に会する。
そもそも五葉と漱石の交流は俳句雑誌『ホトトギス』から始まった。漱石は高浜虚子から挿絵の依頼を受けたがこれを断り、五葉の兄・貢(みつぎ)を紹介。しかし貢はよりふさわしい人物として五葉を紹介したという。

会場には、五葉が手がけて新風を吹き込んだ『ホトトギス』のほか、漱石との関わりから生まれた装幀の数々がずらりと並ぶ。
五葉作品のなかでも他に類を見ないという空押しだけの表紙装幀である『鶉籠』(1907)をはじめ、表紙に漆塗りを施した『草合』(1908)から、最後に手がけた漱石の装幀である『行人』(1914)まで、ふたりが築きあげた個性豊かな装幀の世界を堪能したい。


第3章 五葉装幀の世界
2章と同じ展示室に広がる3章では、五葉の様々な近代装幀の名作も展示。表紙や見返しだけでなく、本文にまで装飾が施された『浮草』(1908)をはじめ、五葉の先駆的な装幀仕事の数々を見ることができる。






















