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「橋口五葉のデザイン世界」(府中市美術館)レポート。ブックデザインの先駆的な仕事を見る【2/5ページ】

第1章 『吾輩ハ猫デアル』

 展覧会冒頭を飾るのは、五葉の装幀における代表な仕事である夏目漱石『吾輩ハ猫デアル』のデザインだ。今年は同作連載開始および初版発行から120年目の節目。漱石は最初の小説である同書を世に出すにあたり、美しい本を出したいと願い、五葉はこれまでになかった装幀でこの願いに応えた。

 会場には、1905年から07年に刊行された『吾輩ハ猫デアル』(上中下編)の実物とともに、それぞれのジャケット画稿や下絵、表紙画稿などを展示。名作とされる装幀が生まれた過程をたどることができる。装幀・印刷用語の解説があるのも嬉しい。

展示風景より、夏目漱石著『吾輩ハ猫デアル』(上編)
展示風景より、夏目漱石著『吾輩ハ猫デアル』(下編)
展示風景より、『吾輩ハ猫デアル』の画稿や下絵