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「やんばるアートフェスティバル 2024-2025」開幕レポート。土地の豊かさがつくった芸術祭【2/7ページ】

大宜味村立旧塩屋小学校

 まずは旧塩屋小学校で行われているエキシビション部門の作品を紹介したい。2016年に閉校した大宜味村立旧塩屋小学校は、本芸術祭のメイン会場となっている。体育館では芸術祭のインフォメーションや公式グッズ販売を行うとともに、作品展示も実施中だ。

  昨年末に資生堂ギャラリーで開催された「宿/Syuku」も話題となった渡辺志桜里は、特定外来生物に指定されているブルーギルをテーマに据えた映像作品《Blue - alter editon》を出展。塩屋湾を望むガラス窓を借景に、現上皇がアメリカより持ち込んだ15匹を祖とするブルーギルが日本中に広がったことや、外来生物法が制定されるまでの経緯などをリサーチし、自然と人間の関係、そして循環と持続の不安定さを表出させる映像作品を制作した。

展示風景より、渡辺志桜里《Blue - alter editon》

 沖縄の美術工芸を現代の視点からとらえ直す「新・琉球の富研究会」は、大正から昭和初期に生産された「琉球古典焼」を、現代の視点を取り入れながら紹介。民藝運動を推進した柳宗悦が激しく批判したこともあり、研究が停滞していた古典焼を改めて評価する展示となっている。

展示風景より、新・琉球の富研究会による「壺屋のエジプト–Foreiners Everywhere」

 八重山における創作や美術工芸を紐解くユニット・五風十雨は、八重山に唯一残る島の鍛冶屋「池村鍛冶屋」の活動を紹介する展示を行っている。砲弾や自動車部品を素材に、包丁、鍬、鉈などを、繊細な焼き入れによってつくりだすその活動を知ることができる。

展示風景より、五風十雨による「池村鍛冶屋」の紹介

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