EXHIBITIONS

毛利悠子、トレヴァー・ヤン「帰ってきたやまびこ」

Yutaka Kikutake Gallery 京橋
2025.01.24 - 03.08
 Yutaka Kikutake Gallery Kyobashiで、毛利悠子とトレヴァー・ヤンによる二人展「帰ってきたやまびこ」が開催される。

 トレヴァー・ヤンは1988年生まれ。個人的な経験と社会への鋭い観察を織り交ぜ、写真作品から大規模なインスタレーションまで多岐にわたり制作を続けてきた。近年取り組んでいるミクストメディアは、オブジェや植物を美的要素として機能させながら、閉じた環境や社会的規範が人々の感情や行動に及ぼす作用などを探求している。

 ヤンは、2024年には第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展に香港代表として選出されたほか、第24回シドニー・ビエンナーレ(オーストラリア)、ラホール・ビエンナーレ2024(パキスタン)にも参加。23年にはロンドン、ブリュッセル、ペナンで個展を開催し、国際的に注目を集めている。

 毛利悠子は1980年生まれ。既製品、ファウンド・オブジェ、自作の装置を組みあわせて、展示環境などの諸条件によって変化していく現象を生成するインスタレーション作品を発表してきた。電子回路によって生み出されるエネルギーが、作品のコンポジションを通じて乱反射することで、日々生起する予測できない諸現象やより大きな世界構造に潜在する複雑性の断片を、視覚や聴覚、またときには触覚を通じて鑑賞者に伝える。

 2024年には第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展に日本代表として選出。25年は、2月9日まで開催中のアーティゾン美術館での個展「ピュシスについて」のほか、9月からはピレッリ・ハンガービコッカ(ミラノ)での個展を控えている。

 ふたりは本展に向け、ヴェネチアと東京での滞在を通し親交を深め、そのあいだに交わされた会話や目にした情景が、日常における些細な事象を掬い上げる共通のプロセスの起点となり作品に反映されている。本展では、ヴェネチアと東京、過去と現在のあいだで呼応し合うふたりの新たな実践とコラボレーションの成果を鑑賞することができる。