沖縄県北部の「やんばる(山原)」は、2016年9月に国内33ヶ所目の国立公園として「やんばる国立公園」に指定された自然豊かな地域。亜熱帯の森やマングローブ、珊瑚礁、そして希少な生き物が息づくこの土地で、今年初めて開催されるのが、「やんばるアートフェスティバル2017-2018〜ヤンバルニハコブネ〜」だ。
「未来に運ぶね、アートの種 ミライにはこぶね、アートの種」をテーマに開催される本芸術祭の会場は、大宜味村や名護市、那覇市などやんばるの広大なエリア。各地域にある廃校を「ハコブネ」に見立て、アート部門とクラフト部門の2部門で48組のアーティストたちが参加する。
アート部門では椿昇をはじめ、紫舟、照屋勇賢、高木正勝、西野亮廣、藤代冥砂、淀川テクニックなど27組が参加。またクラフト部門では、琉球びんがたや木工、陶器、琉球ガラスなど多種多様な工房など21組が集う。
総合ディレクターを務めるの那覇在住の写真家・仲程長治。クラフト部門では広告や雑誌、ファッションブランドなどでディレクションを手がける熊谷隆志がディレクターを担当。全体のアドバイザーには、「芸術と創造」代表理事・金島隆弘や、山本現代代表・山本裕子、『芸術新潮』編集長・吉田晃子、『美術手帖』編集長・岩渕貞哉、芸人・おかけんたらが名を連ねている。
沖縄固有の芸術をあらゆる創造力の原点「アートの種」であると定義している同フェスティバル。この日、会見に参加した椿昇は、「『ハコブネ』というテーマに共感した。自然に逆らうのではなく、自然とともに生き延びる作品を考えていて、僕がやっていたことと通じる」と参加に至った理由を話す。
また絵本作家としても知られる西野亮廣は自身が手がけた絵本『えんとつ町のプペル』の主人公がゴミ人間であるという設定に基づき、「淀川テクニックさんと一緒にとゴミ人間をつくりたい。いろんな人を巻き込んでいければ」と、抱負を語った。
冬の沖縄を舞台に繰り広げられる初のアートフェスティバル。やんばるの風土が、各アーティストにどのような作品をつくらせるのか、注目だ。
なお、会期中には多数のワークショップや映画上映、ライブなどイベントも多数開催。詳しくは公式サイトをチェックしてほしい。