豊島区立 熊谷守一美術館で、開館40周年を記念した特別企画展「めぐる いのち 熊谷守一美術館40周年展」が開催される。会期は4月15日〜6月29日。
熊谷守一は(1880〜1977)、明治から昭和にかけて、97年という長い歳月を生きた画家だ。若い頃はアカデミックな作風であったものの、音楽や機械の仕組みに関心を持った熊谷は、絵を構成する「色」や「かたち」の仕組みを自ら探究。そして仲間の支えを受け、自宅兼アトリエを建て制作環境を整えたりしながら画風を変化させ、70歳を過ぎた頃には、単純化した彩色とはっきりした輪郭線を用いた「モリカズ様式」を確立した。
本展はタイトルを「めぐる いのち」とし、熊谷が描いた家族の肖像を紹介。わずか4歳で亡くなった我が子を描いた大原美術館の名品《陽の死んだ日》が同館で初めて展示されるという。
また、娘の弔いから帰る残された家族の姿を描いた《ヤキバノカエリ》(岐阜県美術館蔵)、画業初期に描いた父母の肖像、さらには、のちに妻となる女性を描いた《某婦人像》や、孫を抱く娘を描いた《母子像》などを展示。守一が家族とともに過ごした場所で、守一が見つめたいのちの輝きと、めぐるいのちの物語を総覧できるものとなる。