次の「ものがたり〜浸る!〜」で、まず目に飛び込んでくるのは、須藤玲子による《ピカチュウの森》だ。ニードルレースによって生み出された膨大なレースリボンに無数のピカチュウたちが連なり、まさに森のようなインスタレーションとなっている。
田中信行は、漆の「漆黒」を用いて、ゴーストタイプポケモンの技である「かげうち」を表現。高さ2メートルもの作品は吸い込まれるような黒さをたたえている。いっぽう新實広記は、こおりタイプの「つららおとし」をガラスで表現している。
新技術によって、近未来的な世界観を伝統的な螺鈿技法に取り入れた「サイバー螺鈿」で知られる池田晃将は、モンスターボールやポケモンを交換するときの通信中の様子などを螺鈿によって生み出した。ポケモンが住まうデジタル世界との相性は抜群だ。
『ポケットモンスター ソード・シールド』で初めてゲームを体験した池本一三。本展では、ポケモントレーナーによる冒険の世界を立体絵巻のように出現させた。