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「ポケモン×工芸展」(麻布台ヒルズギャラリー)見どころレポート。多様な技とポケモンの化学反応【3/4ページ】

 次の「ものがたり〜浸る!〜」で、まず目に飛び込んでくるのは、須藤玲子による《ピカチュウの森》だ。ニードルレースによって生み出された膨大なレースリボンに無数のピカチュウたちが連なり、まさに森のようなインスタレーションとなっている。

展示風景より、須藤玲子《ピカチュウの森》(2022)
展示風景より、須藤玲子《ピカチュウの森》(2022)

 田中信行は、漆の「漆黒」を用いて、ゴーストタイプポケモンの技である「かげうち」を表現。高さ2メートルもの作品は吸い込まれるような黒さをたたえている。いっぽう新實広記は、こおりタイプの「つららおとし」をガラスで表現している。

展示風景より、田中信行《無題》(2022)
展示風景より、新實広記《Vessel -TSURARA-》(2022)

 新技術によって、近未来的な世界観を伝統的な螺鈿技法に取り入れた「サイバー螺鈿」で知られる池田晃将は、モンスターボールやポケモンを交換するときの通信中の様子などを螺鈿によって生み出した。ポケモンが住まうデジタル世界との相性は抜群だ。

展示風景より、池田晃将《電線光環中次》(2022)

 『ポケットモンスター ソード・シールド』で初めてゲームを体験した池本一三。本展では、ポケモントレーナーによる冒険の世界を立体絵巻のように出現させた。

展示風景より、手前は池本一三《冒険のはじまり》(2022)

編集部

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