「くらし〜愛でる!〜」
最後のセクション「くらし〜愛でる!〜」では、器や着物、装身具などに姿を変えたポケモンを見ることができる。
もっとも存在感を示すのは、桑田卓郎だろう。釉薬が塗られた磁器のフォルムに質感ある金属をダイナミックに組み合わる作品で知られる桑田は、膨大な数のタイルやカップ、ボウルを転写シートのピカチュウで彩る。
彫金の人間国宝である桂盛仁の香合はルギアとホウオウによって輝きを放ち、小宮康義は江戸小紋にゲンガーやゴースト、フライゴン、ガラルマッギョを宿した。
器と装飾の主従関係を壊すことをテーマとしている桝本佳子は、焼きものと切っても切り離せない炎を宿す「ほのおタイプ」のポケモンとして、リザードンやヒトカゲを信楽焼の壺で表現。キャラクターの強さが器としての機能を飲み込むような作品群だ。
本展最後には、《唐草文サルノリ》《火炎文ヒバニー》、そして新作となる《蔦唐草文ジュペッタ》《蒼炎文ヒトモシ》など、植葉香澄による文様で覆い尽くされたポケモンたち祝祭的に並ぶ。
日々の仕事によって練られた高い技術力があってこそ生み出された今回のポケモンたち。各作家によるポケモンの解釈、アプローチはまさに多種多様であり、本展を見れば、ポケモンというメディアの拡張性の高さと工芸の技に、あらためて驚かされるはずだ。
なお、本展では下階のミュージアムショップで様々なグッズが販売されるとともに、コラボカフェでは限定メニューが楽しめる。あわせてチェックしてほしい。
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