羽田みらい開発株式会社が、羽田空港エリアに「HANEDA INNOVATION CITY」(HICity[エイチアイシティ])をオープンさせた。 HICityは日本初のスマートエアポートシティで、国内外の人やモノ、情報がフラットに集まり、交流が生まれ、新たなビジネスやイノベーション創出の拠点となることを目指すものだ。
当施設のグランドオープンを記念し、11月17日〜19日には「Grand Opening Event∅」を開催。「先端」と「文化」をテーマに、HICityのコンセプトを体現し、多種多様な価値観からなるアクティビティやエンターテインメント、実証実験など、50以上のコンテンツが集まる。このオープニングイベントのハイライトをレポートしたい。
同施設は京浜急行空港線ならびに東京モノレールの天空橋駅に直結している。施設のフロアはA〜Lに分かれており、内部にはホテル、ライブホール、没入型のデジタルアートのほか、飲食店、オフィス、ビジネスマッチングのための施設、イベント会場などが並ぶ。
施設のゾーンはA〜Lまでに分かれており、各所で催しが行われている。ゾーンCでは、コンテンポラリーデザインスタジオのwe+「表現する素材展 More than Materials」が行われている。we+は「ものづくりのまち」として知られる大田区のまち工場から生まれた様々な「もの」を、「表現する素材」として収集。今後テナントが入る予定だという空間に展示した。
そこに並ぶのは、例え途中まで削った状態のまま放置されていた金属部品など。それぞれ、素材としての用途は果たしていないものの、見るものの感覚に訴えかけるような存在感が宿っている。
「感覚的に素材に向き合ってもらうために、過剰な説明をしない」というコンセプトにもとづき、各「もの」は説明を省いたかたちで展示されている。もし詳細を知りたければ、会場の背面にある各「もの」につけられた番号と同じカードをめくれば、それがどのような経緯で生まれたものなのかが解説される仕組みだ。
ゾーンEの「DEJIMA」ではアーティスト・尾角典子/Noriko Okakuによる、空や音をイメージした映像作品《Air Lines》を展示。英国在住の作曲家・Ebe Okeによるサウンドとともに楽しむことができる。
また、この「DEJIMA」の通路では、通行する人の動きに合わせてインタラクティブな映像が投影される「MULTI PERSPECTIVE by Sony Design Consulting」を展示。通るたびに、自分の立っている場所が揺らぐような体験をすることができる。
ゾーンJでは、写真家・保井崇志が羽田空港や大田区の様々な表情を切り取った写真展を開催。展示演出は空間表装を手がける京都の職人・井上光雅堂が手がけた。
なお、同じくゾーンJで開催されている「HANEDA EXPO」はブロックチェーン、ロボティクス、生成AI、 XRなどの先進技術領域に携わる企業などを一堂に集めたテクノロジーの見本市だ。事業展示やカンファレンス、VR・ AR体験など、専門的な領域のみならず、誰もが最新のテクノロジーに触れることが可能となっている。
会期中の17〜19日には屋外壁面にてプロジェクション・マッピングを実施する「SKY MAPPING by Sony Design Consulting」や、HAIOKA、渡部高士ほかが参加する音楽を通じて都市を知ることを試みる「SOUND&CITY」なども開催される。
また、17日と18日にトークセッション「INNOVATION IDOBATA」を実施。1日目は尾角典子とパノラマティクス主宰の齋藤精一が、2日目はAR三兄弟の川田十夢と現代美術家・窪田望、コンテンポラリーデザインスタジオのwe+が登壇し、トーク後は参加者との交流も予定している。