現代詩人・最果タヒの展覧会「われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。」が渋谷パルコ4階のパルコミュージアムトーキョーで開幕した。会期は12月4日〜20日。
最果タヒは1986年生まれ。2006年に現代詩手帖賞、08年に中原中也賞、そして15年に現代詩花椿賞を受賞するなど、注目を集める詩人のひとりだ。昨年は横浜美術館において、個展「氷になる直前の、氷点下の水は、蝶になる直前の、さなぎの中は、詩になる直前の、横浜美術館は。──最果タヒ 詩の展示」を開催し、3万人以上が来場するなど話題を集めた。
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今回の展示は、この横浜美術館の個展でのインスタレーションを含む、新作の「詩の展示」を公開。会場デザインは、これまで最果タヒの書籍の装幀をはじめ、様々な企画をともにしてきた佐々木俊が担当した。
会場に足を踏み入れると、白壁の空間に様々なかたちで浮かび上がる最果の言葉と対峙することになる。中央には、立体物として言葉が記された《詩と身体》や、円環状に記された詩が空中に浮かび、どこからでも読み始めることができる《ループする詩》、透過素材で言葉を立体化し、陰影が新たな意味を付与するような《詩の存在》などが並び、言葉と知覚の関係を示唆する。
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また、本展のために制作された《詩になる直前の、渋谷パルコは。》は、一室すべてを使用したインスタレーションだ。天井から吊り下げられた無数の言葉のあいだを縫いながら、鑑賞者はそれぞれの意味を自身で解釈していく。さらに、壁面に据えつけられた鏡面によって、一つひとつの言葉が複雑に絡み合うような体験が生まれている。
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聴覚から詩を楽しむことができる新作《座れる詩》にも注目だ。会場内に置かれた円柱状の椅子に座ると、最果の「一等星の詩」や「初雪の詩」といった作品が静かに朗読される。朗読を担当したはマームとジプシーやチェルフィッチュなどの舞台に参加する俳優の青柳いづみ。目で読むこととはまた異なる詩の体験ができる。
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ほかにも、本棚の本の背表紙のように詩を見せる《詩ょ棚》や、最果のスマートフォン上での執筆を再現するような《詩っぴつ中》など、ユニークな展示方法で言葉や文字のあり方を問う展示となっている。
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なお、同展は名古屋パルコ(2021年2月13日~2月28日)・心斎橋パルコ(2021年3月5日〜3月21日)にも順次巡回する予定だ。