最果タヒ展が三菱地所アルティアムで開催。言葉を体験するインスタレーションとは?

詩人・作家の最果タヒによる展覧会「われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。」が、福岡の三菱地所アルティアムで開催される。会期は8月8日~9月27日。

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 本やインターネット上だけでなく、SNSの活用、作詞、詩集の映画化、商業施設とのコラボレーションなど、幅広い場所で作品を発表してきた詩人・最果タヒ。

 横浜美術館での個展(2019)や「詩のホテル」(2019~)など、近年の空間を使った発表に続いて、個展「最果タヒ展 われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。」が、三菱地所アルティアムで開催される。会期は8月8日~9月27日。

HOTEL SHE, KYOTO期間限定コラボルーム「詩のホテル」 Photo by YUKI NOBUHARA

 中学生のころからインターネット上で言葉の発表を始めた最果。2006年に投稿作品が第44回現代詩手帖を受賞し、翌年に刊行した第一詩集『グッドモーニング』で第13回中原中也賞に選出。2015年には詩集『死んでしまう系のぼくらに』で第33回現代詩花椿賞を受賞するなど、高い評価を得ている。

 「詩の展示」である本展で展開されるのは、空間全体で言葉を体験するインスタレーション。なかでも言葉のモビールで構成される《詩になる直前の、アルティアムは。》では、紙片の表裏に記された詩の断片が言葉の連なりを生み出し、鑑賞者はその偶然から詩を切り取ることができる。

「最果タヒ 詩の展示」展示風景(横浜美術館、2019) 撮影=山城功也

 同作をはじめ、最果は書き下ろし作品を含む自らの詩を大胆に断片化し、空間に展開。アートディレクションは、これまで最果の詩集のデザインを多く手がけてきたグラフィック・デザイナーの佐々木俊が担当する。

 また7月10日から8月30日には、三菱地所アルティアムが位置する「イムズ」の館内各所でも詩のインスタレーションが展開される。最果が紡ぎ出す「詩になる直前」の言葉を介して、運動する言葉そのものと新しく出会う場となることだろう。

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編集部

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