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「現代のポートレイト」とは何か? 「アジテイション:攪拌のポートレイト」にRCA出身者が集う

ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)出身者による、ポートレイトをテーマとした展覧会「アジテイション:攪拌のポートレイト」が、コートヤードHIROOで始まった。

展示風景より、手前はヴィクトリア・シン《Part One / She Was More Than the Sum of My Parts》(2016)

 古今東西、多くのアーティストたちが手がけてきた「肖像画(ポートレイト)」。そんなポートレイトの現在を示す展覧会「アジテイション:攪拌のポートレイト」が、コートヤードHIROOで始まった。会期は11月29日まで。

 本展は、世界的な芸術大学であるロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)の出身者である7名によるグループ展。参加作家は、シベリ・カヴァリ・バストス、ニール・ハース、平澤賢治、石橋征子(いしばし・もとこ)、金澤韻(かなざわ・こだま)、小林勇輝、ヴィクトリア・シンだ。

展示風景より

 この展覧会は平澤賢治と石橋征子の呼びかけによって実現したもの。「コロナや様々な対立による孤立状態が蔓延するなかで、他者の多様なあり方にふれる機会になれば」という考えのもとキュレーションされた。

 会場に並ぶのは、様々なメディウムを使ったポートレイトの数々。例えば平澤は「Figure」シリーズにおいて、サーモグラフィーでとらえた人物の姿を表面温度の数字に置き換え表現した。被写体のぬくもりがそのまま記録されたポートレイトだ。

平澤賢治《Figure(Avenir Roman)》の部分

 ニール・ハースがブラインドに描く男性像は、どこか儚げだ。隙間があり、揺れ動くブラインドにポートレイトを描くことで、「男性性」というもののイメージを覆そうとしているようにも見える。

展示風景より、ニール・ハースの作品群

 いっぽうでヴィクトリア・シンは、女性である自身がドラァグ・クイーンを演じた映像作品を展示。「女らしさ」が「社会的・文化的に生み出された“つくりもの”に過ぎないことを示唆する」(会場のテキストより)。

展示風景より、ヴィクトリア・シン《Part One / She Was More Than the Sum of My Parts》(2016)

 「現代に生きるわたしたちの姿を捉えようとする時、古いカテゴリーでは窮屈すぎて、からだのあちこちが千切れてしまう。だからその人らしさをつかまえる、新しい発明が必要だ」(本展ステートメントより)。会場に置かれた金澤によるテキストを手がかりに、現代のポートレイトとは何かを考えてみたい。

編集部

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