「ブロンド」とは何か?
サンドリオン・ベランジェが探る「女性らしさ」

KEN NAKAHASHIにてサンドリオン・ベランジェの個展「ブロンド・ヴィーナス」が開催される。彼女が考える「ブロンド」とは?

サンドリオン・ベランジェ Dark Venus 2017 ピグメントプリントCourtesy of KEN NAKAHASHI ©︎ Cendrillon Bélanger

 サンドリオン・ベランジェは1972年モントリオール生まれ。1993年〜1998年にパリのエコール・デ・ボザールで彫刻とマルチメディアを専攻し、トニー・ブラウン、ジャン=ルック・ヴィルムートに師事した。

 アジア、ヨーロッパ、北米で多くの展覧会に参加し、日本では「横浜フランスビデオコレクション2010−他者の視点」(横浜赤レンガ倉庫1号館、2010)、「We don’t have to take our clothes off」(芸術公民館、新宿、2014)に参加している。

 ベランジェはこれまで20年近く、パフォーマンスやセルフポートレートといった作品を制作してきた。代表作にはパリの証明写真撮影機でパフォーマンスするように撮られた「フォトマトンシリーズ」などがある。

 近年では『アルプスの少女ハイジ』、ロベール・ブレッソン監督のヒロイン「破瓜を待つ少女」、ヘルムート・ニュートンのポスターのような、様々な時代・文化のステレオタイプヒロインを演じ、真のブロンドとはどういうものなのかを追求しているベランジェ。

 本展タイトルはジョセフ・フォン・スターンバーグ監督の映画『ブロンド・ヴィーナス』(1932)に基づいているもの。本展では10年以上にかけて撮影された「フォトマトンシリーズ」や、夜の野外での大型写真作品群を展示予定。また、制作年が20年近く離れた《L'Hôtel Rotary(ホテル・ロータリー)》(1999)や《Dark Venus(ダーク・ヴィーナス)》(2017)のようなビデオ作品も公開する。

 「女性らしさ」と「女性であること」との関係性を探求してきたベランジェの過去20年間を概観する。

編集部

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