《Glass Table》と《Infinity Light》
会場となるスパイラルの象徴的な螺旋階段には、大小様々な光の柱が並ぶ大型インスタレーションが出現する。展示される作品は、建材としても使われるテクスチャガラスや無彩色の金属といった素材をベースに、約1年間にわたるマテリアルの研究を経て検証された、アートと生活空間の境界を探るプロダクトたちだ。


色褪せた記憶の欠片
ガラスの机である《Glass Table》は、テクスチャガラス、透明ガラス、金属製の引き出しによって構成されたミニマルなテーブル。天板内部にテクスチャガラスを重ねることで、引き出し内に収めた本や写真、オブジェの輪郭がガラスの凹凸によりぼやけて見える仕組みを取り入れている。これは「色褪せた記憶の欠片」を表現しており、人間の記憶の曖昧さを喚起する。ガラスの脚部が浮遊感と静かな揺らぎをもたらす作品だ。


また、ガラスの照明《Infinity Light》は直線的なLED光源をテクスチャガラスの内側に配置し、スモークガラスや鏡面性のある金属と組み合わせた照明作品。光源を直接見せず、輪郭を曖昧にぼかすハーフミラーなどの構造により、柔らかな光の奥行きを生み出す。スイッチを切ると黒い鏡の柱へと姿を変え、空間に溶け込むオブジェとしても機能している。
これらの作品群は、何かを強く主張するのではなく、解釈や評価の外側にある「静かな存在のあり方」として、空間の中に自然に溶け込む。デザインと現代美術、プロダクトとインスタレーションの境界を軽やかに行き来するその静謐な世界観を、ぜひ会場で体感してほしい。
デザインと現代美術、プロダクトとインスタレーションの境界を軽やかに行き来するその静謐な世界観を、ぜひ会場で体感してほしい。
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