記憶と空想の交差点へ。瑞雲庵で4作家によるグループ展「日常と空想」が開催

京都・上賀茂の瑞雲庵で、グループ展「日常と空想」が5月1日〜6月7日の会期で開催される。広瀬菜々&永谷一馬、雲永業、大江慶之、小松千倫の4組が参加し、記憶と想像、日常の交差をテーマに作品を発表する。

広瀬菜々&永谷一馬「Why don't cats wear shoes?」(Künstlerhaus Göttingen、ドイツ・ゲッティンゲン、2021)展の様子 Metallised polyester film, Apples Photo by Johannes Poettgens

 京都・上賀茂の瑞雲庵で、グループ展「日常と空想」が5月1日〜6月7日に開催される。

 本展は、フランスの作家マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』に着想を得て企画されたもの。記憶と空想、日常生活の繊細な交差をめぐる視点を起点に、現代における記憶の再構築のあり方を問い直す。スマートフォンやSNSの普及により、私たちは日々の出来事や記憶を記録し再編集し続けているが、そのプロセス自体が一種の「空想的再構築」であるという認識が、本展の背景にある。

 会場となる瑞雲庵は、古い建築と現代的要素が共存する空間であり、展示のコンセプトとも呼応する場だ。異なる領域で活動する作家たちの作品を通じて、日常的な瞬間がいかにして想像的な領域へと接続されるのかが提示される。鑑賞者自身の記憶や感覚を呼び起こす体験が志向されている。

 キュレーションは大阪在住の劉李杰(リュウ・リケツ)が担当。空間に内在する記憶や感情に着目し、「場」と共鳴する展示構成を志向している。広瀬菜々&永谷一馬、雲永業(ウィン・ヨンイェ)、大江慶之、小松千倫の4組のアーティストが参加し、記憶と想像、そして日常の交差をテーマに作品を発表する。

広瀬菜々&永谷一馬《365 Apartments》(2011-)商品包装紙、チケット、メモ、絵葉書、領収書など サイズ可変 (写真)80×380×160cm

雲永業《Sumeru Mountain》(2023-25)Oil on wood, Antique Frame Φ15cm

 デュッセルドルフを拠点に活動する広瀬と永谷は、子供の問いや遊びを起点に、アートと日常の境界を揺さぶる実践を展開する。中国・武漢を拠点とする雲は、超現実的な表現を通して知覚の枠組みを揺るがす作品を制作している。

大江慶之《Wireworm》(2018)Mixed media H260xW70xD55mm Photo by Hyogo Mugyuda
小松千倫《STAR BOX》(2022)PLA, led string light, 3AA Photo by Osamy Sakamoto

 また、大江は平面と立体を横断しながら、視点の変化によってイメージの意味が変容する構造を探求。小松は音楽家としての活動を背景に、音や光、情報と身体の関係を主題とした作品を発表してきた。本展ではライブパフォーマンス(5月2日)も予定されている。

 日常と空想、過去と現在が交差する地点を探る本展は、現代における記憶のあり方と想像力の可能性を再考する機会となりそうだ。

編集部