世界的振付家アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルと、気鋭の振付家ラドワン・ムリジガによるダンス作品『和声と創意の試み』が、6月、彩の国さいたま芸術劇場(19日〜21日)、アマノ芸術創造センター名古屋[主催]愛知県芸術劇場(24日)、ロームシアター京都(27日〜28日)で上演される。

ケースマイケルは、音楽分析を基盤に緻密な振付を構築することで知られる振付家であり、1983年に設立したダンスカンパニー「ローザス」を率いて国際的に活動してきた。2025年には世界的な芸術賞である高松宮殿下記念世界文化賞を受賞している。いっぽう、モロッコ出身の振付家ラドワン・ムリジガは、ケースマイケルが設立に関わったブリュッセルの舞台芸術教育機関P.A.R.T.S.を卒業後、近年創作活動を本格化させ、ヨーロッパのダンスシーンで注目を集めている。
今回主催する3館はこれまでにも、アクラム・カーン・カンパニー、ネザーランド・ダンス・シアター、ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団といった来日公演を実現し、世界の優れたコンテンポラリー・ダンスを招聘する劇場として高い評価と信頼を築いてきた。そして今回、3館が共同招聘し上演するのが、40年以上にわたりコンテンポラリー・ダンス界を牽引してきた「ローザス」とムリジガのカンパニー「アトラファイブ」による協働作品。国際フェスティバルで大きな話題を呼んできた本作が、いよいよ、3都市にて日本初演を迎える。

本作は、アントニオ・ヴィヴァルディの名曲《四季》に触発され、音楽と振付の緻密な関係性を軸に構成されたダンス作品。2024年に発表され、ローザスのレパートリーのひとつとして注目を集めてきた。舞台では4人のダンサーが跳躍や旋回、回転といった動きを通して、音楽の構造と身体の関係を探究する。バロック・ヴァイオリンの名手アマンディーヌ・ベイエとリ・インコーニティの名盤《四季》とともに展開するステージは、音楽ファンにとっても必見だ。
気候変動や自然環境の変化といった現代的テーマも織り込まれ、自然と人間の関係を舞台芸術の視点から見つめ直す本作。英国紙『フィナンシャル・タイムズ』は、ヨーロッパでの上演について「何気なく、しかし知的に構築される、90分間のダンスの幾何学」と評した。“四季”が文化や芸術と深く結びついている日本で、この作品は現在を生きる私たちに何を問うのだろうか。



























