演劇と音楽が融合した新たな世界。チェルフィッチュと藤倉大による音楽劇『リビングルームのメタモルフォーシス』が名古屋で初上演

チェルフィッチュと藤倉大が手がけた音楽劇『リビングルームのメタモルフォーシス』が、3月1日にアマノ芸術創造センター名古屋で上演される。岡田利規が描く独自の世界観と、藤倉大の音楽が融合した新たな舞台芸術を提示する作品となる。

『リビングルームのメタモルフォーシス』東京公演(東京芸術劇場、2024)の様子 撮影=前澤秀登

 演劇カンパニー・チェルフィッチュと作曲家・藤倉大による音楽劇『リビングルームのメタモルフォーシス』が、3月1日にアマノ芸術創造センター名古屋(名古屋市芸術創造センター)で上演される。

 本公演は、毎年5月から6月にかけてオーストリアで開催されるヨーロッパ最大級の芸術祭「ウィーン芸術週間」から委嘱を受け、チェルフィッチュが2021年から創作を進め、愛知県芸術劇場も共同製作に携わった演劇作品。これまでにヘレンハウゼン芸術祭(ドイツ)、オランダ・フェスティバル(オランダ)、東京芸術祭2024/東京芸術劇場(東京)、神戸文化ホール(兵庫)で上演され、国内外で大きな反響を呼んでいる。

『リビングルームのメタモルフォーシス』東京公演(東京芸術劇場、2024)の様子 撮影=前澤秀登

 同作は賃貸契約を一方的に破棄された家族をめぐる物語。家を追い出されそうになったところで、予測できない強大な力により問題は消えてしまう。その後、人間の世界を圧倒する存在が登場するというストーリーだ。まったく新しい世界の到来を描き、観客をフィクショナルでありながら迫力のある空間に引き込む。

 この公演の作・演出を担当するのは、チェルフィッチュを主宰する演劇作家で小説家の岡田利規。岡田は、演劇界の芥川賞と呼ばれる「岸田戯曲賞」や、「三島由紀夫賞」など数々の受賞歴を持ち、近年では「ノン・ネイティブ日本語話者との演劇プロジェクト」など、革新的な試みにも取り組んでいる。今回の作品では、音楽劇としてのアプローチが試みられ、音楽と演劇が融合した圧倒的なスケールで描かれる。

『リビングルームのメタモルフォーシス』東京公演(東京芸術劇場、2024)の様子 撮影=前澤秀登

 音楽は、作曲家でありオペラの国際的な評価を受ける藤倉大が担当する。映画『蜜蜂と遠雷』の劇中オリジナル楽曲やNHK Eテレ「にっぽんの芸能」のテーマ曲などで知られる藤倉は、本公演においてアンサンブル・ノマドとの共演を果たし、音楽と演劇の一体感を生み出す。

 出演者には、チェルフィッチュの過去の作品にも参加した俳優たちが名を連ね、6名の俳優が舞台を彩る。また、「第3回ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞」を受賞したアンサンブル・ノマドが7名参加し、演劇と音楽が交錯する世界をつくり上げる。

 岡田利規が描く独自の世界観と、藤倉大の音楽が融合した新たな舞台芸術を提示する本公演。これを機に、演劇と音楽が織り成す圧倒的な体験を楽しんでほしい。

『リビングルームのメタモルフォーシス』東京公演(東京芸術劇場、2024)の様子 撮影=前澤秀登
『リビングルームのメタモルフォーシス』東京公演(東京芸術劇場、2024)の様子 撮影=前澤秀登

編集部

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