これまで「消しゴム」シリーズでコラボレーションを行ってきた、岡田利規率いる演劇カンパニー「チェルフィッチュ」とアーティストの金氏徹平。その最新バージョンである『消しゴム畑』が、現在ロームシアター京都で展示されている。会期は10月25日まで。
チェルフィッチュ×金氏徹平は、劇場版『消しゴム山』(KYOTO EXPERIMENT2019初演、19年10月)、美術館版『消しゴム森』(金沢21世紀美術館初演、20年2月)を通じて、それぞれ異なる形式のなかで、人・モノ・空間・時間の新たな関係性を提示することを試みてきた。
『消しゴム畑』では、その延長線上の新たな実験として、今年5月からオンライン配信を実施。人とモノのフラットな関係、そして人間的尺度で時間や空間をとらえることからの逸脱を目指す「消しゴム」シリーズの視点や態度を、日常に持ち込んでみる「日常空間版」と言えるものだ。
今回は、多くの人々が行き交うロームシアター京都のピロティに展示することで、日常のなかの人・モノ・空間・時間の新たな関係性を、さらに多層的に展開することに挑戦する。「人とモノが主従関係ではなく、限りなくフラットな関係性で存在するような世界を演劇によって生み出すことはできるのだろうか?」という問いに対する実験と試行錯誤を、垣間見ることができるだろう。