「九谷焼の芸術祭 KUTANism」、5回目の開催へ。秋の石川で九谷焼を見て知ろう

色あざやかな焼き物「九谷焼」を、見る・知る・めぐる芸術祭として回数を重ねてきた「KUTANism(クタニズム)」。その5回目が10月6日〜11月5日の会期で石川県小松市・能美市の各所を舞台に開催される。

 秋の石川県。ここで 「九谷焼」に特化した芸術祭「KUTANism(クタニズム)」が開催される。

 九谷焼は、石川県小松市・能美市の伝統工芸。「KUTANism」は2019年より九谷焼の魅力を発信するべく、展覧会やツアーなど様々なプログラムを実施しており、今年で5回目を数える。北陸新幹線延伸を来年に控える今年度は、産地の魅力を知ってもらうために、イベントやスポットをつないで、産地を周遊することを目的に開催。「産地の色を、さがす旅。」をテーマとして、九谷焼の特色である「色あざやかさ」に着目した。「色」を切り口に巡ることで、つくり手とその工房、九谷焼を生み出す街の魅力を発見できるチャンスだ。

 プログラムは大きく分けて3つ。まずは街のユニークベニュー3ヶ所で見る、九谷焼の展覧会だ。「叡智の杜 苔の里」では、苔庭と九谷焼をコラボレーションさせた「九谷のおきもの」展が開催。時代の流れにあわせ、様々な人の努力や技術の変遷を経てかたちづくられてきた九谷焼の一大ジャンルである「縁起もの」を美しい苔の風景とともに楽しみたい。

「九谷のおきもの」展イメージ

 「松雲堂」では、かつて窯元だった小松町家を会場に「九谷焼と暮らす」展を実施。昔ながらの九谷焼から現代のものまで、生活シーンを想像させる会場に展示することで、九谷焼と暮らすことのエッセンスを紹介する(スタイリング:IROIRO)。

「九谷焼と暮らす」展イメージ

 「能美ふるさとミュージアム」の「九谷に包まれる」展は、九谷焼の花形とも言える美しい絵模様の魅力を全身で体感できる空間を創出。能美市に本社を置くファブリックメーカー・小松マテーレの協力によって、“九谷焼柄の布の空間”が出現するという。

「九谷に包まれる」展イメージ

 プログラムの2つ目である工房見学(予約制)では、浅蔵五十吉深香陶窯/宇喜多窯/上出長右衛門窯/KAM能美市九谷焼美術館|職人工房|/ 錦山窯/清峰堂株式会社/福島武山工房/宮創製陶所 /美山陶窯/宮吉製陶/牟田陽日工房の11ヶ所が参加。実際に作家や職人と出会い話すことで、九谷焼の奥深さが体感できるだろう。

錦山窯
福島武山工房
宮吉製陶

 3つ目のプログラムは、産地を良く知るための九谷焼関連スポットだ。今回の「KUTANism」では、産地ならではの九谷焼の関連施設も、周遊スポットとしてガイドブックに収録。九谷焼の偉人を祀る神社から、現在の作家作品が見られるギャラリーまで幅広く紹介されており、これらも周遊したい。

 展覧会にあわせて、九谷焼を「つくってみる」「使ってみる」ワークショップも実施(予約制)。見て・体験して・つくって、九谷焼の魅力を存分に堪能してみてはいかがだろうか。

 なお、スポット全23ヶ所とそのアイコンカラーの紹介に加え、九谷焼をより良く知るキーワードやおすすめコース、会期中に産地で開催される九谷焼イベントも掲載されたガイドブックを金沢駅・小松エリア・能美エリアで配布。オリジナルガイドブックを見て周遊し、各スポットに置いてあるシールを集めると、その数に応じたプレゼントもゲットできるので、ぜひ活用してほしい。

2021年ワークショップの様子

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