このフェアは、元邸宅という親密な建築空間で行われるため、鑑賞者は一点ずつの作品をより間近に鑑賞することができる。また、コンベンションセンターなどで開催されるアートフェアと比較し、ギャラリースタッフが鑑賞者に作品を積極的に紹介する姿がしばしば見受けられ、ギャラリーと鑑賞者とのあいだではオーガニックなコミュニケーションが生まれている。
同フェアのシニアアドバイザーを務める山本豊津(株式会社東京画廊 代表取締役社長)は、「美術品の収集においてもっとも重要なのはコンテキストだ」としつつ、次のように話している。「この『CURATION⇄FAIR』は、『キュレーション』という要素を取り入れたことによって、まるでこの家に住んでいる架空の人物が、古美術から現代美術まで集めたものをシミュレーションしたようなかたちになっている。ここに来るお客さんは、建物を見ながら、どのように作品を飾るべきかといったことを体験していただければ、自分のコレクションのコンテキストをつくるための参考になるのではないか」。
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古美術から近代美術、現代美術まで、幅広い時代やジャンルの作品をkudan houseという親密な空間で楽しめるこのフェア。ぜひ、この機会に足を運び、作品収集を味わってみてはいかがだろうか。
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