昨年11月に初開催され、大きな注目を集めたアートフェア「Art Collaboration Kyoto(ACK)」。その第2回の出展ギャラリーが発表された。
ACKは、京都府が主導して開催するアートフェア。「ギャラリーコラボレーション」セクションでは、日本国内のギャラリーがホストとなり、日本国外に本拠地のあるギャラリーをゲストに迎え、ブースを共有して出展する。
今年は、合計29組(58軒)のギャラリーが同セクションに出展予定であり、昨年の22組(45軒)より約25パーセント増。なかには、KOTARO NUKAGA、MAKI Gallery、SCAI THE BATHHOUSEなど初出展のギャラリーのほか、Sadie Coles HQ(ホスト:タカ・イシイギャラリー)、Sprüth Magers(TARO NASU)などの海外のブルーチップギャラリーや、The Hole(NANZUKA)、ROH(ANOMALY)、Nonaka-Hill(思文閣)などの気鋭のギャラリーも名を連ねている。
京都にゆかりのあるアーティストを紹介する「キョウトミーティング」セクションでは、COHJU contemporary art(京都)、FINCH ARTS(京都) 、nca | nichido contemporary art(東京)、Gallery Nomart(大阪)、Takuro Someya Contemporary Art(東京)、東京画廊+BTAP(東京)といった6つのギャラリーが出展し、京都の現代アートを世界に向けて発信するという。
2022年7月11日追記:
今年のACKのキュレトリアルテーマは「時間の花」に決定。プログラムディレクター・山下有佳子は下記のメッセージを寄せている。
現代アートには、その時代の社会問題や世相を反映する力があります。アートを鑑賞することでそれらの課題について何かしらのインスピレーションを得たり、多種多様な人々が共存できる社会を実現するために共に考える機会となればと、ACKでは、メイン会場である国立京都国際会館のほか京都府内で開催するプログラムに共通したキュレトリアルテーマを設けました。
時間の花ーそれは全ての人の中に咲いている、時間という概念。
社会の効率化が進むにつれ日々せわしなく過ごす私たちの時間の花は、ミヒャエル・エンデの物語に出てくるような時間どろぼうに奪われ、ガラスの花のごとく凍らされ、死んでしまいます。
時間が奪われ続けると、自分自身で感じ、考えることがなくなってしまいます。そうなると時間はもはや数値的な価値しか持たなくなるのではないでしょうか。
現代社会においてアート界も例外なく効率化が進んでいます。情報量は増え、めまぐるしいスピードでたくさんのアートが生み出されています。資本主義的な面が強調されがちなアートフェアですが、私は時間を共有する喜びを味わう場所にしたいと考えています。さまざまな地域の多様なアーティストが生きて作品を生み出した時間。その時間を同時代に生きるなかで共有する喜び。そして過去に生み出された作品を愛でることで、見知らぬ時間を感じる楽しみ。
ACKでは、気づかぬ間に奪われてしまったかもしれない「時間の花」を取り戻し、自分自身の歩幅でアートを発見することで、私たち個人が本来持っている感性を呼び覚ます体験をしていただきたいと願っています。