今年3月初頭、BeepleのNFT作品が約6935万ドル(約75億円)で落札され大きな衝撃を与えた。しかしながら今年行われたニューヨークの主要なスプリングオークションでは、ピカソやバスキア、モネなどのブルーチップ・アーティストが、現在でも国際的なアート市場を支える真の柱であることが、Artmarket.comによって明らかにされた。
2021年のオークション売上高で現時点のトップ10は以下の通りであり、Beepleは7位。同社のArtprice部門は「アーティストや美術作品の価格レベルの土台となる基本原則は、2021年においてもしっかりと生きており、適切さを保っている」と分析する。
1.パブロ・ピカソ:2億5215万5000ドル
2.ジャン=ミシェル・バスキア:2億1728万7000ドル
3.クロード・モネ:1億2998万4000ドル
4.アンディ・ウォーホル:1億803万ドル
5.サンドロ・ボッティチェッリ:9353万8000ドル
6.バンクシー:8354万ドル
7.Beeple:6934万6000ドル
8.フィンセント・ファン・ゴッホ:6325万3000ドル
9.ザオ・ウーキー:5752万9000ドル
10.ロイ・リキテンスタイン:5561万3000ドル
いっぽう、同社同社創設者兼社長のティエリ・エールマンは、「アート市場のデジタルへの転換は、約1年前から急激に加速したが、既存の市場の土台を脅かすものはなかった」と振り返り、欧米諸国のコロナ危機からの立ち直りが強固な市場構造を支える要因になっているとしている。
なおニューヨークのスプリングオークションでは、推定6万〜8万ドルに対して86万7000ドルで落札されたサルマン・トゥールの《The Arrival》をはじめ、ヘルナン・バスやラッシード・ジョンソン、フランク・ステラ、アレクサンダー・カルダー、デイヴィッド・ホックニーなどのアーティストの作品が予想落札価格の数倍以上で落札され、価格高騰の傾向を示している。