BeepleのNFT作品が約75億円で落札。現存アーティストのオークション記録第3位に

デジタルアーティスト・BeepleのNFT(非代替性トークン)に基づいた作品《Everydays - The First 5000 Days》が、クリスティーズのオンラインセールにて約6935万ドル(約75億円)で落札された。

Beeple Everydays - The First 5000 Days 出典=クリスティーズのウェブサイトより

 デジタルアーティスト・Beeple(本名:マイク・ヴィンケルマン)による、NFT(非代替性トークン)に基づいたデジタルアート作品《Everydays - The First 5000 Days》が、クリスティーズのオンラインセールにて約6935万ドル(約75億円)で落札された。

 この数字は、現存アーティストのオークション記録第3位となり、デジタルアート作品の過去最高額、オンラインのみのオークションでの過去最高額、オンラインでの落札価格の過去最高額を記録した。

 NFTとは、取引記録や所有権、真正性を検証できるブロックチェーン上で取引するために使用されるユニークな暗号通貨トークン。NFTやブロックチェーン技術が導入される以前は、デジタルアートは無限に複製できるという性質により、アートマーケットで地位を確立することがほぼ不可能だった。しかし、NFTに紐付けることで、デジタルアート作品は唯一無二の「一点物」の価値を有するものとなり、マーケットにおける新しい可能性が生みだされつつある。

 この結果について、Beepleは声明文で次のように述べている。「アーティストは過去20年以上にわたり、ハードウェアとソフトウェアを使って作品を制作し、インターネット上で配信してきたが、作品を真に所有し、収集する方法はなかった。しかし、NFTの登場により、それが変った。私たちは、美術史における次の章、デジタルアートの始まりに立ち会っているのだと思う。これは、物理的なキャンバスでつくられたものと同様に、クラフト、メッセージ、ニュアンス、意図を持った作品であり、この歴史的な瞬間にデジタルアートのコミュニティを代表することができ、大変光栄に思っている」。

 また、クリスティーズの戦後・現代美術専門家であるノア・デイビスは、「昨年は美術市場にとって驚異的な時期であり、今日の結果はクリスティーズで行われた大幅なデジタル変革を称えるにふさわしいものだ。私たちのビジネスが進化したように、アートがつくられる方法も進化している」とコメントしている。

 なお今回のセールでは33人が競り合って入札し、そのうち新規ユーザーは91パーセントだった。年齢別に見ると、X世代(1965〜1980)とミレニアル世代(1981〜1996)のユーザーはそれぞれ33パーセントと58パーセントを占めた。

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