SBIアートオークションのモダン&コンテンポラリーセールが、東京・代官山のヒルサイドテラスにて10月31日に開催された。注目の落札結果を、ピックアップしてお届けする。
本オークションの最高落札額は、バンクシーのエディション作品《Avon & Somerset Constabulary》(2001)となった。予想落札価格3000万〜5000万円のところ、8000万円の高額で落札され、世界中のアートオークションで高額取り引きされるバンクシー作品の人気を改めてうかがわせた。
今年6月のSBIアートオークションでは、《Pig》(2018)が予想落札価格の5倍以上の高値となる1600万円で落札されるなど、若手ながらマーケットから高い評価を得ている井田幸昌。今回は油彩のユニーク作品が3点、木炭のドローイングが1点出品された。《Colors》(2014)は予想落札価格200〜300万円に対して、770万円で落札。さらに馬を描いた《Horse》(2018)は予想落札価格400〜700万円に対して1500万円で競り落とされた。井田の代表的な顔を描いたシリーズだけでなく、動物絵画も広く人気を集めている。
10月31日より、日本の美術館での初個展「魔法の手 ロッカクアヤコ作品展」が、千葉県立美術館で開催されているロッカクアヤコ。オークションでも不動の人気を誇るロッカクが、3点が出品された今回も高額での落札が相次いだ。なかでも、2008年にアムステルダムで発表された《無題》(2008)は、予想落札価格800万〜1500万円に対して2150万円で落札。会場では拍手が起こっていた。
カイカイキキに所属するMADSAKIも、近年アートコレクターから支持を集めている作家だ。村上隆の「お花」が描かれた《Homage to Takashi Murakami Flower》(2018)は、予想落札価格1000万〜1800万円に対して、最終的には2600万円まで競り上がった。
ミスター・ドゥードゥルも注目を集めるアーティストのひとりだ。前回の「SBI Art Auction Live Stream」では、アクリルペイント作品《Cyber Space》(2019)が、予想落札価格200〜300万円に対して、670万円で落札。今回は100センチメートル四方の作品《Mr Doodle In Love》(2019)が1000万円で落札、大台に乗ったことで確かな評価の高まりを印象づけた。
金沢21世紀美術館でマーク・マンダースとの2人展「ダブル・サイレンス」が開催中のベルギーの画家、ミヒャエル・ボレマンス。伝統的な西洋絵画の技法とテーマに強い関心を寄せてきたボレマンスの《The Sign》(2008)は、原美術館で開催された「ミヒャエル・ボレマンス:アドバンテージ」(2014)に出展されていた名品だ。予想落札価格は1300万〜2000万、落札価格は1550万円となった。
総出品数は、当日に出品取り消しとなったものを含めて425点にもなった。13時開始ながらも、終了は23時を過ぎる長時間のオークションであったが、オンラインでのライブ配信が整備されたこともあり、最後まで入札が途切れなかった。
落札価格に取引手数料15パーセントを加えた本オークションの最終的な取引総額は、8億4665万8750円となった。