8月の開催に引き続き、2回目となるSBIアートオークションのライブ配信型オークション「SBI Art Auction Live Stream」が、10月3日に開催された。
本オークション最大のトピックは、IDETATSUHIROから名義を変更して東京・神宮前のGALLERY COMMONで個展を開催しているTIDEの、100号のアクリルペイント作品《TWO OF US》(2019)が高騰したことだ。予想落札価格100〜150万円に対して数多くの入札が集まり、最終的には4400万円で落札。本オークションの最高額落札作品となった。
若手アーティストの作品が4000万円を超える値段まで高騰することは珍しく、今後のマーケットにおける価格上昇への期待を込めたディーラーによる入札も多かったことが予想される。今回の落札結果を受けて、TIDEが今後の国内マーケットでどのように評価されていくのかを注視したい。
前回の「SBI Art Auction Live Stream」では、《Hot Summer》(2019)が予想落札価格100万〜150万円に対し、500万円まで競り上がるなど、近年コレクターの注目が集まっているミスター・ドゥードゥル。今回も、アクリルペイント作品《Cyber Space》(2019)が、予想落札価格200〜300万円に対して670万円で落札されるなど、高い人気を裏付けた。
「ヒロイン」をコンセプトとした作品「VALIANT GIRL」シリーズで知られるアーティスト、Backside works.のエディション作品も高い値で落札。シルクスクリーン作品の《Maneater》(2020)は、予想落札価格5〜10万円に対し、10倍を超える110万円で競り落とされた。
小松美羽もエディション、ユニークともに数多くの入札があった。アクリルペイントのユニーク作品《幻は希望》(2016)は、予想落札価格150〜250万円に対して510万円で落札。シルクスクリーンのエディション作品《干支神獣 猫年》(2018)も、予想落札価格20〜30万円に対して180万円まで競り上がった。
落札価格に取引手数料15パーセントを加えた本オークションの最終的な取引総額は、2億3104万750円となった。TIDEやBackside works.といった若手アーティスト作品の高額落札が見られ、彼らが今後のアートマーケットでどのように評価されていくのかにも注目が集まるオークションでもあった。