株式会社マレットジャパンによる近現代美術作品を扱うオークションが、2020年9月10日に開催された。総出品数は209点。
新型コロナウイルスの影響が色濃いなかでの開催となったが、電話や書面、オンラインでの入札のみならず、会場に足を運ぶ参加者の姿も多く見られた。
今回のオークションで予想落札額の最高値となる1200万~1700万円をつけていたのが、キャンバスにアクリル絵具で描かれたロッカクアヤコの《作品》(2016)だ。120号大の大型作品で、2016年のアートマイアミにも出品されたものだが、大台に乗った2000万円で落札。これが本オークション最高額での落札となった。
草間彌生はエディション作品を中心に11点が出品され、いずれも活発な入札が行われていた。なかでも250万~350万円の予想落札額がつけられた木版作品《宇宙や人類の生命のありか》(2015)は、390万円で落札された。
国際的にも高い評価を受ける李禹煥(リ・ウファン)の作品は4点が出品。なかでも青とオレンジの彩色がされている《DIALOGUE》(2007)は予想落札価格100万~150万円に対して、240万円と高値で競り落とされた。
もの派を代表する作家のひとり、関根伸夫は3点が出品。国内外より多くの入札を集め、いずれも最高予想落札額を上回り落札された。とくに《B100-4 4つの結界》(1987)は予想落札最高額の150万円を大きく上回る210万円で落札。
大幅な値上がりを記録したのは、ミスター・ドゥードゥルの作品だ。今年8月に開催された「SBI Art Auction Live Stream」でも、《Hot Summer》(2019)が予想落札価格100万〜150万円に対し、500万円まで競り上がり落札されたが、本オークションでも高額で落札。なかでも《A Piece of `Rainbow Doodle`》(2019)は、予想落札価格40万円〜60万円に対して255万円まで競り上がった。今後のアートオークションでも、ミスター・ドゥードゥルの作品は高い注目を集めそうだ。
今回のオークションの落札総額は1億2497万円。新型コロナウイルスの影響か、これまでのマレット・オークションよりも作品点数は少なめだったが、新たなマーケットの潮流も感じられる回となった。