大きな話題を集めていた作品が、予想落札価格を大幅に上回る数字で落札された。
フランシス・ベーコンの《叫ぶ教皇の頭部のための習作》(1952)は、今回ニューヨークで行われたサザビーズの現代美術イヴニング・セールの目玉。リチャード・E・ラング、ジェーン・ラング・デイヴィス・コレクションより出品された同作は、ベーコンの「叫ぶ教皇(Screaming Pope)」シリーズ作品のひとつで、予想落札価格は2000万〜3000万ドル(約22億〜33億円)だった。
しかしながら結果は、これを大幅に上回る5038万ドル(約55億円)。ビッドには5人の入札者が参加し、4分間にわたって行われ、プライベート・コレクターが落札したという。今回の結果について、サザビーズ・ニューヨーク現代美術部門長で、かつてフランシス・ベーコン・エステートの研究者を務めていたグレゴワール・ビローは「《叫ぶ教皇の頭部のための習作》は私が過去20年間で扱った作品のなかで、疑いなく、もっとも素晴らしい作品のひとつ。今夜の結果は、作品の質をそのまま反映していると言えるでしょう」とコメントしている。
また今回のセールでは、サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)が所蔵していたマーク・ロスコの《無題》(1960)も出品。結果は5009万ドル(約55億円)とほぼ予想落札価格通りとなった。
なお、セール全体の落札額は3億4100万ドル(約375億円)で、落札率は88.9パーセントだった。