オークションハウスの巨頭、サザビーズがニューヨーク本社の展示スペースの拡張とリニューアルを発表した。リニューアル・オープンは、同社で行われる印象派とモダン・現代美術の展覧会とオークションにあわせ、5月3日になっている。
建築設計事務所OMAのニューヨーク事務所代表で福岡県出身の建築家・重松象平がデザインを手がける今回のリニューアルは、サザビーズロンドンとパリでも同時に行われる機能強化プログラムの一部であり、世界中のコレクターのために新しいパブリックおよびプライベートの展示スペースをつくりだすもの。
8300平米以上、4階にわたる展示スペースには、40のパブリックギャラリーや9つのプライベートセールスギャラリー、ふたつの新しいオークションスペースなどが設けられる。
もっとも巨大なギャラリーは高さ6メートル以上、最小のギャラリーは33平米となっており、ひとつの作品から膨大なコレクションまで、様々な規模の作品を展示することができる。3つの2階建てのギャラリーのほか、フルコレクションを展示する長さ45メートルのギャラリー、宝石類や時計ギャラリー、家具やデザインギャラリー、小規模作品や紙の作品を展示するL字型ギャラリーなど様々なスペースがあるのが特徴だ。
サザビーズのCEO、タッド・スミスは、「顧客がロビーに到着し、作品を鑑賞してオークションに参加し、新しいコレクションを購入するまで、建物内での体験を一新することを目指しています」とコメント。
重松象平は新社屋についてこうコメントしている。「プログラムの再編成やギャラリースペースの多様化を通じて高い柔軟性を導入することで、クライアントの体験を向上させるというサザビーズの目標を実現したいと思いました。新しい本社は、開放性と発見性を重視して設計されており、パブリック向けのプログラムはすべて低層階に移行しています」。