1980年代に「ワム!」として一世を風靡し、作詞、作曲も手がけたイギリスの歌手、ジョージ・マイケル(1963〜2016)。そのアートコレクションが、クリスティーズ・ロンドンでセールにかけられる。
ジョージ・マイケルのプライベートコレクションは、ダミアン・ ハースト、トレイシー・エミン、サラ・ルーカス、マイケル・クレイグ・マーティンやマーク・クインといった同世代のイギリス現代美術家の作品が多くを占める。クリスティーズによると、ジョージは彼らの作品に深く感銘を受けていたといい、ギャラリーや作家のスタジオを訪問し、多くの若手の作家たちと親交を築いていたという。
オークションのハイライトとなるのは、トレーシー・エミン《Drunk to the Bottom of my Soul》(2002、予想落札価格18万〜25万ポンド[約2560万〜3556万円])、ブリジット・ライリー《Songbird》(1982、予想落札価格40万〜60万ポンド[約5690万〜8536万円])、ダミアン・ハースト《The Incomplete Truth》(2006、予想落札価格100万〜150万ポンド[約1億4226万円〜2億1340万円])など。
クリスティーズの戦後・コンテンポラリーアート部門長、クリスチャン・アルブは「彼のコレクションは1990年代後半のヤング・ブリティッシュ・アート・ムーブメントのスピリットを称えるもの」としながら、「トレーシー・エミンの詩や死のはかなさを題材にしたダミアン・ハーストに至るまで、コレクションはその時代の英国カルチャーの歴史を顕著に反映しています」とコメントしている。
なお本セールでは上海を含む世界各地で大規模な下見会を開催。ツアーの最後にはロンドンで作品を一般公開する。また3月8日から15日まではオンラインオークションも実施。作品の予想落札価格は400〜150万ポンドと幅広い価格帯となっているのも特徴的だ。