11月26日、オーストリア・ウィーンのオークションハウス・ドロテウムで展示されていた、印象派を代表するフランスの画家、ピエール・オーギュスト・ルノワールによる風景画《Golfe, Mer, Falaises Vertes》(1895)が、3人の男に窃盗された。
同オークションハウスが11月28日に開催するセールに登場する予定だった同作は、最高落札額が16万ユーロ(約2100万円)と予想されている。
アメリカのメディア、ニューヨーク・タイムズ紙によると、3人の男は顔を隠すことなく、作品をフレームから取り出して、オークションハウスを歩き去っていった。わずか数分の犯行だったという。
1707年に設立されたドロテウムは、ウィーンに本部を持ち、世界最古のオークションハウスのひとつであり、ヨーロッパ大陸とドイツ語圏では最大のオークションハウスだ。
ロンドンのクリスティーズで22年働いていたアートディーラー、ジェームス・ラウンデルは、「このようなオークションハウスでの悪質な窃盗事件は滅多にない」とコメント。犯人と作品の行方に注目が集まっている。