ディエゴ・ジャコメッティ(1902〜1985)は、主にフランスで活動した彫刻家のアルベルト・ジャコメッティ(1901〜1966)の1つ違いの弟で、彫刻をはじめ、数多くの家具を製作したことで知られている。今回出品されるのは、83年に製作された古色ブロンズ製八角形テーブル「カリアティード」(予想落札価格=各80万〜120万ユーロ、約9741万〜1.4億円)や、古色ブロンズ製スツール4脚(予想落札価格=30万〜50万ユーロ、約3635万〜6088万円)など全21点。
73年に製作された2羽の鳥がついた薪載せ台一対(予想落札価格=15万〜20万ユーロ、約1826万〜2435万円)や、ジバンシィがお気に入りで多く発注したという鹿のモチーフをあしらった一対のキャンドルホルダー(予想落札価格=10万〜15万ユーロ、約1217万〜1826万円)など、動物をあしらった作品の数々もリストに入っている。
このセールに対してジバンシィは「彼は非常に親切で気さく、控えめであり、そしてどこまでも才能豊かな人でした。(中略)今回のオークションを通して、彼にオマージュを捧げたいと思っています。彼には今さら評価など必要ありませんが、これは私の心からの想いなのです」とのコメントを寄せている。
奇しくも今夏、国立新美術館(東京)では兄のアルベルトの大回顧展「ジャコメッティ展」(6月14日〜9月4日)が開催される今年。本セールの行方にも注目したい。オークションは3月6日にパリのクリスティーズで開催。下見会は2月28日から3月4日まで行われる。