アメリカのユネスコ離脱に「ノー」。メトロポリタン美術館が反対声明を発表

アメリカが反イスラエル的などとして2018年12月31日付でのユネスコ脱退を発表したことに対し、同国を代表する美術館・メトロポリタン美術館が館長名義で反対声明を公表した。

メトロポリタン美術館 出展:ウィキメディア・コモンズ

 メトロポリタン美術館の館長兼CEO、ダニエル・H・ウェイスの名義で発表された反対声明は、「美術館界のリーダーたちが負うべきもっとも重要な責任のひとつは、文化財を保護し、国際的な教育を促進することだ」という文言から始まっている。

 同ステートメントでは、メトロポリタン美術館をはじめとるする無数の美術館が半世紀以上にわたりユネスコと良好な関係を保ってきたことに触れており、ユネスコを「キュレーターやコンサバター、多様な分野の研究者たちを集め、人類共通の文化遺産の知的かつ芸術的な伝統について教育し、保存し、保護し、サポートすることで世界中の国や地域から尊敬されてきた」と評価。「トランプ大統領の離脱表明は、国連が行ってきた努力とその歴史的な役割を傷つけるもので、文化財保護の主唱者たる我々の立場を弱くするものである」と断言している。

 同館は「ユネスコは完璧な組織ではない」としながらも、依然として重要なパートナーであること、そして今後もユネスコおよび目的を共有する世界中の同士との連携に深くコミットしていくことを表明している。

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