埼玉県東松山市の原爆の図丸木美術館が、「丸木美術館友の会年会費の改定と緊急支援のお願い」を発表した。
原爆の図丸木美術館は、原爆投下後の広島の惨状を目の当たりにした水墨画家・丸木位里(1901〜95)と、油彩画家・丸木俊(1912〜2000)夫妻が共同制作した連作「原爆の図」を常設展示する、1967年開館の美術館だ。館内では年数回の企画展も実施されており、戦争や社会的な主題を扱う芸術家の展覧会を中心に開催。近年では若い世代の現代美術作品も紹介している。
昨年9月より全館改修工事のため長期休館中の同館から、3月31日、「丸木美術館友の会年会費の改定と緊急支援のお願い」が発表された。
丸木美術館友の会年会費の改定と緊急支援のお願い。
— 原爆の図丸木美術館 Maruki Gallery for the Hiroshima Panels (@marukigallery) April 2, 2026
丸木美術館は作品を未来に残すことの困難と同時に、運営に必要な業務を次世代に引き継いでいくことの困難も深刻な課題となっています。そのため、たいへん心苦しいのですが時代に即した改定は不可欠と判断する次第です。https://t.co/Hhyo3j28Ty pic.twitter.com/3sF5BrwZgu
同館は今年4月より「丸木美術館友の会」の会費改定に踏み切ると発表。これまで約30年間据え置いてきた一般会員(年会費2000円)を廃止し、維持会員(年会費5000円)への移行を呼びかけるほか、特別会員の会費を1万2000円へと引き上げる。あわせて、2027年5月のリニューアルオープンに向けた「原爆の図保存基金」への緊急の支援も募っている。
この決断に至った背景にあるのは、深刻な資金不足だ。同館は行政や企業からの出資が中心の一般的な公益財団法人とは異なり、入館料や寄付金、物品販売などで収入を賄っているが、物価高騰の影響もあり単年度の支出が収入を上回る赤字状態が続いている。この状況は、作品の保存管理や職員の労働条件、業務の次世代への引き継ぎにまで深刻な影響を及ぼしているという。
さらに、現在進められている改修工事においても予期せぬ事態が相次いでいる。工事前に集中豪雨で南側斜面が崩落したことに加え、解体後に判明した建物の基礎劣化や構造上の欠陥により、工事費が当初の予定を大幅に上回った。同館は「原爆の図」の修復中断やエレベーター設置の見送りといった経費削減に努めているが、リニューアルオープンを実現するためには、2026年度中に少なくとも約5000万円以上の資金を確保しなければならないという。





















