第50回「木村伊兵衛写真賞」は濵本奏に決定。特攻兵器「伏龍」の体験記を手がかりにした写真集『-・・』と同名展覧会で受賞

第50回「木村伊兵衛写真賞」の受賞者が濵本奏に決定した。受賞作品展は、ソニーイメージングギャラリー銀座で開催される。会期は4月24日〜5月7日。

濵本奏『ー・・』より

 第50回(2025年度)「木村伊兵衛写真賞」受賞者が、濵本奏に決定した。大賞作は濵本の写真集『-・・(チョー タン タン)』および、横浜市民ギャラリーで開催された同名の展示。

 濵本は2000年神奈川県生まれ。人やものや土地が持つ「記憶」を主なテーマに、壊れたカメラを用いた撮影方法やミクストメディア的な手法を導入して制作をおこなう。2025年、個人の出版レーベル「真珠出版」をスタート。主な展示に「midday ghost」(OMOTESANDO ROCKET・STUDIO STAFF ONLY、2020)、「―・・」(横浜市民ギャラリー、2025)。出版物に『midday ghost』(hito press、2020)、『VANISHING POINT exhibition in liminal zone』(2022)、『―・・』(真珠出版、2025)がある。

濵本奏さん 写真=佐藤創紀(朝日新聞出版写真映像部)

 受賞作『-・・』は、第二次世界大戦の終戦間際、神奈川・横須賀の野比海岸などで訓練を行った特攻兵器「伏龍(ふくりゅう)」の元隊員が綴った体験記を手がかりにしたもの。撮影に加え、フィールドレコーディングによる音や光を用いたインスタレーションを展開し、歴史的な記憶を現代の空間に構成した。濵本は2025年に個人の出版レーベル「真珠出版」をスタートさせるなど、出版を通じた表現活動も精力的に行っている。

濵本奏『―・・』(真珠出版、2025)
濵本奏「―・・」(横浜市民ギャラリー、2025)でのインスタレーション

  本賞は写真家・木村伊兵衛の業績を記念し、1975年に創設。今回のノミネート作家は卯月梨沙、岡部桃、鈴木萌、中西敏貴、濵本奏、林典子、水島貴大の7名で、選考委員は大西みつぐ、長島有里枝、澤田知子、今森光彦の4名が務めた。受賞作品展は、ソニーイメージングギャラリー銀座で開催される。会期は4月24日〜5月7日。

編集部