「AWARE賞 2025」を谷内恒子とガブリエル・マングルが受賞【4/4ページ】

授賞式と今後の展開

 AWARE賞はフランス文化省の公認サポートとシャネル・カルチャー・ファンドから支援を受けており、ダチ文化相の挨拶に続いて受賞者の発表と授賞式が、パリ・ヴァロワ通りの文化省内で開催された。

 「名誉」賞は、キャリアが40年以上であると同時に、これまでフランスで大規模な回顧展が開催されていないことが選考基準にあり、今後そうした機会が望まれている。受賞者には、1万ユーロの賞金が授与され、AWAREとパリの出版社Manuella Éditionsとの共同プロジェクトとして、アーティストやその作品に関する未公開インタビューが掲載された本が刊行される予定。会場には谷内の作品の昔からのファンだという美術関係者や、美術学校等でたびたび谷内を講師に招聘していたパフォーマンス研究者などが祝福に駆けつけ、長期間継続してきた比類なきアーティストの多大な功績をねぎらっていた。

 「新しい視点」賞の受賞者には、アンスティチュ・フランセがニューヨークで運営するヴィラ・アルベルティーヌでのアーティスト・レジデンスと、ブルックリンにある女性およびノンバイナリーアーティストのための展示スペースA.I.R. Galleryのサポートが提供され、帰国後もフランス現代アートセンターのネットワークであるd.c.a.の提携施設での個展が予定されている。また、CNAPによる作品収蔵も行われる。

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