ヴェネチア・ビエンナーレ、史上初のアフリカ系女性ディレクターとしてコヨ・クオを任命

ヴェネチア・ビエンナーレ、アフリカ出身のキュレーターであるコヨ・クオを第61回国際美術展のアートディレクターに任命した。これにより、コヨ・クオは同ビエンナーレ史上初のアフリカ系女性アートディレクターとなる。

コヨ・クオ 出典=ヴェネチア・ビエンナーレのウェブサイトより

 ヴェネチア・ビエンナーレ理事会が、2026年に開催される第61回国際美術展のヴィジュアル・アート部門ディレクターにコヨ・クオを任命した。同ビエンナーレ史上初のアフリカ系女性ディレクターとなる

 コヨ・クオはカメルーン生まれのキュレーターで、2019年から南アフリカ・ケープタウンのゼイツ現代アフリカ美術館のエグゼクティブ・ディレクター兼チーフキュレーターを務めており、それ以前には、セネガル・ダカールにあるアート、知識、社会をテーマにした「ロー・マテリアル・カンパニー(RAW Material Company)」の創設アートディレクターとして活動していた。また、2007年と2012年のドクメンタではキュレーターとしても活躍し、2020年にはスイスの芸術賞「グラン・プリ・メリット・オッペンハイム」を受賞し、アート、建築、批評、展覧会分野での業績が評価された。

 ヴェネチア・ビエンナーレ会長であるピエトランジェロ・ブッタフオコは、クオの任命について次のように述べた。「コヨ・クオのヴィジュアル・アート部門ディレクターへの任命は、新たな視点と力強いビジョンの証であり、未来を見据えた新しい言葉と目をもって、もっとも洗練され、若く、破壊的な知性との融合を果たします。ヴェネチアで彼女とともに、ビエンナーレは世界に対して百年にわたって提供してきたものをさらに確かなものにします」。

 コヨ・クオは次のようにコメントしている。「ヴェネチア・ビエンナーレの国際美術展は、百年以上にわたりアートの中心地であり続けてきました。アーティストやアート、美術館の専門家、コレクター、ディーラー、慈善家、そして増え続ける一般の人々が、この神話的な場所に集まり、時代精神を感じ取ります。このような偉大な先人たちの足跡を追う立場でアーティスティック・ディレクターを務めることは一生に一度の光栄であり、現在の世界、そして私たちがつくりたい世界に意味を持つ展覧会を構成したいと思います」。

Exhibition Ranking