映画『ブルータリスト』が公開へ。ホロコーストを生き延びたひとりの建築家の人生描く

第81回ヴェネチア国際映画祭でプレミア上映され、銀獅子賞を受賞した映画『ブルータリスト』が、2025年2月21日に公開される。

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 第二次世界大戦下にホロコーストを生き延び、アメリカへと渡った、ひとりのハンガリー系ユダヤ人建築家。その激動の半生を描く映画『ブルータリスト』が2025年2月21日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開される。

 主人公ラースロー・トートを演じるのは、『戦場のピアニスト』(2002)で第74回アカデミー賞®主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディ。トートは第二次世界大戦下のホロコーストから生き延びたものの、妻エルジェーベト(フェリシティ・ジョーンズ)、姪ジョーフィア(ラフィー・キャシディ)と強制的に引き離されてしまう。家族と新しい生活を始めるためにアメリカ・ペンシルベニアへと移住したラースローは、そこで裕福で著名な実業家ハリソン(ガイ・ピアース)と出会う。建築家ラースロー・トートのハンガリーでの輝かしい実績を知ったハリソンは、ラースローの才能を認め、彼の家族の早期アメリカ移住と引き換えに、あらゆる設備を備えた礼拝堂の設計と建築をラースローへ依頼した。しかし、母国とは文化もルールも異なるアメリカでの設計作業には多くの障害が立ちはだかる。

 本作タイトルのもとにもなっている「ブルータリズム」とは1950年代から出現した建築様式を指す言葉で、無骨なデザインとコンクリートなどの資材の特性を強調する特徴を持つ。ラースローが作中で手がける作品もまさにその様相を呈しており、まるで実在するかのような存在感を放つ。本作はこうした建築的な要素を通奏低音にしながらも、家族の問題や移民としての苦悩、ドラッグ、パトロンとの関係など、複雑な問題が入り組んだヒューマンドラマでもある。215分という長尺ではあるが、見始めると時間が経つのも忘れるだろう。

編集部

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