パレスチナの劇場・映画館「アルカサバシアター」を救え。クラファンで支援募る

NPO法人芸術公社代表理事である相馬千秋が実行者代表者となり、パレスチナで現在も運営されている2つの映画館のうちのひとつ、アルカサバシアターに対する緊急支援のためのクラウドファンディングが実施されている。

 シアターコモンズなどを主宰するNPO法人芸術公社が、パレスチナで現在運営されている2つの映画館のうちのひとつである、アルカサバ・シアターの活動を存続させるため、クラウドファンディングを実施している。

 アルカサバシアターは、ヨルダン川西岸の中心都市ラマラに位置する重要な文化施設。20年以上にわたり400席の劇場と300席の映画館を運営してきた。いまだ終わりが見えないイスラエルとの戦争が続くなかでも、心に傷を負った子供たちに、自分たちの文化と誇りを伝える活動を勢力的に行っている。

 また日本とのゆかりもある。、アルカサバシアターの作品は2004年の東京国際芸術祭で初めて上演され、2005 年には、東京国際芸術祭との国際共同製作作品として『壁―占領下の物語 II』が初演。アーティスト・椿昇が舞台美術を手がけ、イスラエルが建設中だった巨大な分離壁を模した舞台装置も話題となった。 その後、フェスティバル/トーキョー14 において日本チームとの共同制作(坂田ゆかり[演出]× 目[美術]× 長島確[ドラマトゥルク])『羅生門|藪の中』が上演されている。

『壁―占領下の物語 II』(2005)
『羅生門|藪の中』

 今回の実行者である芸術公社の代表理事を務めるアートプロデューサー・相馬千秋は、東京国際芸術祭のスタッフであった2004年に実際にアルカサバシアターを訪れ、国際共同制作の事業を担当するなど、アルカサバシアターとの交友を深めてきた。23年10月7日以降に深刻化するアルカサバシアターの経営危機に際し、日本からの寄付を提案し、寄贈を行うことおよび名称掲載の許諾を取得したという。

 このクラウドファンディングではアルカサバシアターの活動を存続させるための寄付金として500万円を目標金額としており、達成後はネクストゴールとして1000万円を目指す。寄付金は、実行者代表者が代表理事を勤める芸術公社を通じて、リターンにかかる費用とREADYFOR手数料を差し引いた全額をアルカサバシアターに送金する。

 応援コースは4000円〜 100万円まで用意されており、リターンには椿昇「壁–占領下の物語 II」美術スケッチ(2025)5万円、【目[mé]】「羅生門|藪の中」美術ドローイング(2014)10万円、【目[mé]】「羅生門|藪の中」美術オリジナルマケット 80万円などの作品がラインナップされている。詳しくはREADYFORのプロジェクトページから確認してほしい。

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