ラリックと現代アーティスト、ジェームズ・タレル(1943〜)による新たなコラボレーションが「Paris+ par Art Basel(Art BaselによるParis+)」で発表された。限定のクリスタルライトパネルとフレグランスボトルは、2023年の春以降に世界各国での発売を予定している。
ラリックは、19世紀から20世紀に活躍したフランスを代表するガラス工芸家、ルネ・ラリックによって設立されたクリスタルガラスメゾン。この「光の芸術家」とも言われるふたりのコラボレーションは、フランス・アルザスに拠点を置くラリックのガラス工場設立100周年を祝うものとなった。
今回発表されたのは、 2種類のフレグランスボトル(各100点限定)とクリスタルライトパネル(42点)だ。エジプトとアジアに見られるストゥーパのかたちやアメリカ西部の美しさにインスピレーションを受けたフレグランスボトルは、ラリックによる完全ハンドメイドで制作されている。
クリスタルライトパネルは、2013年にニューヨークのグッゲンハイム美術館で展示されたタレルによるインスタレーション「Aten Reign」にインスパイアされたもの。このパネルは透明なクリスタルで製作され、だまし絵のようなデザインが特徴的なプロダクトだ。
今回のコラボレーションにあたって、ジェームズ・タレルは次のように語っている。「私の作品の性質は、光を形成することです。ラリックの工場で熟練の職人を目の当たりにし、その妙技に魅了されました。この度、初めてフレグランスをデザインし、クリスタルピースを製作しました。嗅覚はほかのどの感覚よりも記憶を引き出します。フレグランスの創出は、既知の世界をつくることに少し似ています。ルネ・ラリックのように、私は光を求めています。そして、これからも求め続けるでしょう」 (一部抜粋)。