オランダ・アムステルダムにあるエルミタージュ美術館の名を冠した美術館「エルミタージュ・アムステルダム」が、ロシアの本館と決別することを明らかにした。
エルミタージュ・アムステルダムは2009年開館の美術館で、サンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館のコレクションを中心とした大規模な美術展を開催してきた。同館公式サイトによると、運営はオランダの財団法人(Stichting Hermitage aan de Amstel)によるもので、独自のキャッシュフローで動く法人だという。
同館は「長い間、プーチン率いるロシアの政治的動向から距離を置いてきた」が、ロシアによるウクライナ侵攻によって「この距離を保つことはもはや不可能となった」と声明を公開。同館理事会がロシア・エルミタージュ美術館との関係を断つことを決定したいう。
エルミタージュ・アムステルダムは「過去数十年にわたり、ロシアの同僚たちとは調和がとれていた」と振り返りつつ、次のように締めくくっている。「戦争はすべてを破壊する。30年の協力関係さえも。エルミタージュ・アムステルダムには他の選択肢はない。私たちは平和を願っている。そして、ロシアの未来が変わり、エルミタージュ・サンクトペテルブルクとの絆が復活することを願っている」。
いっぽう、同館スポンサーでアムステルダムに拠点を置くABNアムロ銀行は、この決断を支持。nederlands dagbradはABNアムロ銀行広報担当者のコメントとして「ロシアのウクライナ侵攻について、エルミタージュ・アムステルダムとして出せる最も強力なシグナルだ」と報じている。